株式投資には必須!?行動経済学ってなんだ???

行動経済学ってなんだ? 投資・金融

投資をするには経済学は必須って思っているかもしれませんが、それと合わせて行動経済学も学んだほうが、投資をする際に有利になるかもしれません!ってことで行動経済学に関して少し学んでみました。

そもそも行動経済学ってなんだ?

今までの経済学は「人間は合理的な経済行動をするもの」という前提で構築されています。
ですが、本当に私達は合理的な経済行動をしているでしょうか?
安いから、質がいいから、それだけで買うものを決定しているでしょうか?そういう合理的な人もいらっしゃるでしょうけど、たまに非合理的なふるまいをすることもあるでしょう。
神社でお賽銭を入れるのは何か見返りがあるから、と分かっているからでしょうか。違いますよね。
ってことで行動経済学は、従来の経済学では説明しきれない、人間の経済行動を人間の心理という視点から解明しようとする学問です。

なんで投資をするのに行動経済学を学ぶ必要があるの?

投資の世界では、様々な投資家等の人間の判断で物事が決まっていきます。
合理的な判断である時もありますが、人間の心理で決まることが多いので、行動経済学で人間の心理を原則にした、行動経済学を基準に大勢はどのような行動をするかが、予測できるようになるかもしれないのです。

行動経済学ってどういうの?

すでに行動経済学で明らかになっている法則があります!
今回は投資に関連が深い行動経済学で分かっている原理を軽く紹介していきます!

感応度逓減性

感応度逓減性(かんのうどていげんせい)とは全体の母数の大きさによって同じ金額を大切に扱ったり邪険に扱ったりと、勝手に価値を変えてしまうことです。
例えば、5,000円の300円引きのドライヤー(4,700円)と、200,000円の300円引き(194,700円)のパソコンを購入する際の300円の価値自体は同じはずなのに、全体の母数を考えた時にパソコンの300円引きは些末なことだと思えませんか?

感応度逓減性の例
感応度逓減性の説明(300円引きの例)

もっと極端に住宅を購入する際の300円引きなんて、どうでもいいレベルの値引きにしか思えないですよね?
300円引きという価値は変わらないはずなのに、なぜか軽んじたりしてしまうことを感応度逓減性といいます。
例えば株価なんかで、1株あたりが高額の米国株と日本株を比較した時に起こりそうな現象だなと思っております。

プロスペクト理論

簡単に言うと、得することと損することでは、損することの方を約2倍ほど重大に感じるというのがプロスペクト理論です。
例えばあなたが病気で手術をしないといけないと言われ、「成功率は90%です」と言われた場合、失敗する10%の可能性を気にするでしょう。

プロスペクト理論の例
プロスペクト理論の例

この図のように思う時点で、成功する90%を軽んじているのです。
確率はあくまで数値で90%と10%はその数値の意味しかないのに、主観的な評価が混じり非合理的な判断を下すこともあり得るのです。
例えば、投資に失敗したとして元手の10%減ったら、その数値を重大に感じる、等も当てはまります。

損失回避の法則

プロスペクト理論と似ているのですが、人は目先の損を嫌う傾向にあります。
それは損失回避の法則と言ってまた別なんです。
例えば、確実に10万円もらえる!というのと、50%の確率で20万円もらえる!という選択肢があったとします。
あなたならどうしますか?

損失回避の例(もらえるver)
損失回避の例(もらえるver)

大抵の人は確実にもらえる10万円を選択します。
しかしこれが、確実に10万円払う!というのと50%の確率で20万円払う!という選択肢になったらどうしますか?

損失回避の例(支払うver)
損失回避の例(支払うver)

こうなると実は大抵の人は50%の確率に賭けて、50%の確率で20万円払うほうを選択します。
これが損失回避の法則です。
なんか分かる気がするでしょ?

確証バイアス

以下の株価は2021/08/28時点のAmazonの株価です。
この後、どうなるでしょうか?

Amazonの株価
2021/08/28のamazonの株価

この後も順調に右肩上がりで株価が推移すると思うのではないでしょうか?
しかし、株価には右肩上がりで推移するという確証はないのです。
実際は微妙に下がるかもしれないし、どうなるか分からないのです。
このようになぜか「そうなると思う」ことが確証バイアスです。
確証バイアスでは、視野が狭くなり他の回答の可能性を頭から除外してしまう傾向があります。
投資ではそうならないように、気をつけないといけません。
特に、デイトレードで気をつけないといけないかなと思います。

錯誤相関

錯誤相関(さくごそうかん)は、関係ないことでも関係があることのように思い込むことです。
投資関係ないやんって思うかもしれません。いや、ちょっと待ってください。
例えば、とんかつ定食を食べた後にトレードするとうまくいくことが連続で起きると、関係あるかもと思い込み、トレードをしたい時にとんかつ定食を毎回食べる、とか。
そういう地味に験担ぎみたいな体験をお持ちではないでしょうか。
とんかつ定食を食べることと、投資でトレードすることは全く関係ないですけど、そういうたまたま遭遇した出来事を結びつけてしまうことを錯誤相関といいます。
混同しそうなセレンディピティも一応記載しておきますね。

セレンディピティ

セレンディピティは錯誤相関と紛らわしいのですが、こちらは、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけることです。
平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに幸運を掴み取ることです。
関係が全くない出来事を結びつけるのではなく、関係がないこと同士だと思っていたものが実は同じなのではないかと気づくような感覚なので微妙に違うんですが、お分かりいただけましたでしょうか?
セレンディピティによる各法則や各装置の発明には枚挙に暇がございません。
例えば大型水槽って実は日本企業が一人勝ち状態で、世界各地の水族館のアクリル水槽の大半は日本で製造されたものだってご存知でした?
世界シェア70%を誇る、その名も日プラ株式会社さんです。
そのアクリル水槽の接着技術はカーペットにくっついて離れないうどんを見て思いついたらしいのです。こういうのがセレンディピティです。

保有効果

一度手にしたものは手放したくなくなることを保有効果といいます。
私達は一度でも自分が保有してしまうと、実際のその物の価値よりも高い価値を作り出してしまう傾向があります。
そのため客観的な全く同じような価値の物を交換する場合でも自分の持っている物を手放すことが大きな損失のように感じてしまうことがあるのです。
例えば、商店街のくじ引きで今治のバスタオルが当たったとします。最初に渡されたものと別の色とも交換できると言われても、「今、持っている色のタオルでいいです」ってなりませんか?
それがもうすでに保有効果です。

行動経済学を学ぶのにオススメの本

いかがでしたでしょうか?
実はこういうやりがちな行動が、行動経済学の法則としてすでにまとめられているのです。
他にも投資関連では、以下のような定義がすでに決まっております。

  • 投資をするなら上半期に行うのがいい
  • 長期投資を行うと成功する確率が高くなる(ほぼ成功する)

などなど興味深い事柄がすでに判明されているのです。
もっとよく学びたい方は以下の本をおすすめします。

まずこれ。「ファスト&スロー」。行動経済学で知ろうと思ったら読む本です。
文庫本、上下巻です。読み応えは見た目通りありますが、行動経済学なら「ファスト&スロー」はおさえておきたいところです。
本日紹介した内容もすべて記載されています。
株式投資に関連する事項もありますが、それ以外にも経済を回すためには消費や他の行動も行いますよね。それらの行動すべても網羅していますので、これ一冊で行動経済学は学んだって言っちゃっていい本です。

そうは言っても本は読むの得意じゃないし、という方にはこれ。
ヘンテコノミクス」!行動経済学の法則などを分かりやすく漫画で紹介しています。
漫画と各法則の解説つきなので、法則をざっと分かることができますが、どうしてこういう行動を取ってしまうんだろう?という深堀りをしたい方にはやっぱり「ファスト&スロー」の方をおすすめします。
個人的には「ファスト&スロー」を読んでから、法則だけおさらいするのに「ヘンテコノミクス」を読むというのが良いような気がします。
人類みな同じような行動を取ってしまうものです。
行動経済学を学んで人はどう動くのか予測して投資をしていきましょう!




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