金融商品取引業の登録で「無尽会社」ってあって、何……?ってなりませんでした?
私はなりました。今日はその無尽会社について書いていきます!
無尽というのは?
皆さんどこかの町内会には属してますよね?(入ってないという場合でもそこにお住まいのマンションで勝手に払ってると思います)
実は江戸時代にはすでに町内会みたいなつながりがすでにありまして、一定金額を町内会に収めていました。江戸時代の町内会ではその金額で何したかというと、毎年町内会の人の一部の人だけ旅行に行けるという制度があったんです。
一部の人だけ?じゃあ残りの人は町内会に収めても意味ないじゃん!ってなりますよね。
毎年その一部の人は抽選ではなく順番で回ってきたんです。なので不平はなく不満も出ずに毎年町内会費を収めて、いつか行く旅行に思いを馳せていたました。
江戸時代の頃は旅行に行くというのは一般庶民にはかなり高額でできないことです。なので町内会にいるみんなのお金を集めて楽しんでもらうということを編み出した訳です。
無尽ってようは上記のことなんです。
みんなからのお金を集めて(個人ではできないけど)みんなの力を集めれば順繰りに対価を支払える!という制度です。
今も残る無尽制度とは
上記の記事でも書いた通り現代の社会で商売として無尽制度を行っていくには金融商品取扱業の届け出、及び登録が必要です。
じゃあ今、無尽制度をやっている会社(サービス)は〜?というと、1社のみです。
1社のみです。(2回目)
上記は金融商品取扱業の登録業者一覧で確認することができます。現在は無尽会社を設立させるには以下の条件があります。
無尽会社設立の条件
- 資本金5000万円以上
- 株式会社であること
- 内閣総理大臣の免許を受けた者でないとならない
- 商号(会社名)に「無尽」が入っていること
- 取り扱う商品に関して商号(会社名)に記載すること
だそうです。確かに今現存する1社には「日本住宅無尽株式会社」と全ての条件をクリアーしていそうな会社名です。
なぜ1社だけなの?
昭和20年代までは多数の無尽会社がありましたが、ほとんどが金銭無尽を行っていました。
1951年に法律が変わり金銭無尽が禁止されて、1社を除く全ての無尽会社が相互銀行へと転換しました。現在では金銭そのものの無尽が禁止されているのです。今まで金銭無尽がほぼだったことを考えると他の商品での無尽会社を興すのは難しいのかなと思っちゃいますね。
唯一の無尽会社!日本住宅無尽株式会社を知ろう!
日本住宅無尽株式会社では、何を扱っているのか?というと土地と建物です。東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・山梨県の関東を中心に展開している三菱UFJ銀行系列の会社だそうです。
設立は大正2年(1913年)なので2021年で設立108年です。
一般の方も利用できるのかというと、利用できません。現在は宅建業者に向けてしか取り扱いはないそうです。
日本住宅無尽株式会社の無尽システムはどうなっているんだろう?
宅建業者の方々が毎月一定額を積み立てると積立実績に応じて給付が受けられるそうです。給付の上限は積立額の10倍ですね。「住宅」とあることから、オフィスビル、商業ビルは取り扱いがなさそうです。利息は調査時点(2021/06/06)で月利0.6%です。これが高いか安いかは判断しかねます。
無尽システム
- 給付:積立額の10倍
- 月利:0.6%(2021/06/06時点)
- 給付するもの:住宅
※物件の担保評価は不問。再建築不可、容積率オーバー、告知事項ありでも対象
※オフィス、商業ビルは除外 - 給付物件には原則第 1 順位の抵当権設定が行われ、連帯保証人は法人の代表者で設定される
- 物件売却時に解約手数料が必要
- 融資を受けるには、決済日の前月末日までに積立てをしておく
- 返済は月々の掛け金から、返済期間は不明
住宅のみなので戸建や区分の売買にしか使えないとなると駆け出しの宅建業者が実績を重ねるのにいいのかなと思いました。不動産売買の旨味は住宅よかオフィスビル、商業ビルにあると思っているのでステップアップの為に利用する制度のような気がします。
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