Mini-malの社長さんからお聞きしたブランディングについての講義を受講しました!
今や時代はVUCA(ブーカ)の時代!20代〜30代は共感を求めているのです!!
VUCA(ブーカ)ってなに?
いきなり脱線しますが、VUCA(ブーカ)とはなんでしょうか。これは以下ワードの頭文字を取っているのです。
頭文字 | 英語 | 意味 | 状態 |
V | Volatility | 変動性 | 「これからどのような変化が起こっていくのか」が予測不可能な、変動が激しい状態 |
U | Uncertainty | 不確実性 | 不確実な事柄が多く、「この先、私たちを取り巻く環境がどう変化していくのか」がわからない状態 |
C | Complexity | 複雑性 | さまざまな要素・要因が複雑に絡み合っていて、単純な解決策を導き出すのが難しい状態 |
A | Ambiguity | 曖昧性 | 「どうしたら、問題を解決できるのか」「本当にこの方法で解決できるのか」、絶対的な解決方法が見つからない曖昧な状態 |
まとめると、様々な環境や市場、組織、個人などあらゆるものを取り巻く環境が劇的に変化し、将来の予測が困難になっている状況ってことです。造語で近年(2021年頃)聞くようになった言葉です。
個人個人のスタンスも複雑化しています。今までは画一的だったライフプランやライフスタイルでそれにはみ出す人のことは取り沙汰されてきませんでしたが、今や違います。
様々な多様性を受け入れ、色んな環境、個人の思想やライフプランやライフスタイルがあることを学び、それに対して共感し理解する時代なのです。
Mini-malさんは何をしているの?
Mini-malさんは2014年12月に東京・渋谷区富ヶ谷で立ち上がったクラフトチョコレートメーカーです。世界中のカカオ農園に足を運び、品質の良いカカオ豆を選び仕入れ、自社工房でカカオ豆から板チョコレートができるまでの全工程(選別・焙煎・摩砕・調合・成形)を管理し、製造する“Bean to Bar Chocolate”専門店です。
なぜチョコレートに着目したのか?
そもそもなぜチョコレートに着目し専門店を立ち上げたのでしょうか?理由は以下の3点です。
- 日本のチョコレート市場にはまだまだ伸びしろがあるから
- 誰も損しない、傷つかない経済システムを構築できるから
- 加工前から製法にこだわる余地があるから
日本のチョコレート市場にはまだまだ伸びしろがあるから
チョコレートにはそもそも11兆円規模の市場があるんです。その中で欧米が7割、アジアは1割以下の構成になっており、まだまだアジア内に伸びしろがあるのです。
誰も損しない、傷つかない経済システムを構築できるから
元々チョコレートの原料であるカカオは奴隷産業で成り立ってきました。いまだにその名残がありカカオ自体は先物取引をされています。先物取引をされるとロンドンで価格が決まり農家で価格をコントロールできず、カカオ農家の立場は弱いままなのです。
ですが、カカオ農家と直接取引をすることで購入する側は質のよいカカオを手に入りますし、カカオ農家は安定した収入を得ることができます。
加工前から製法にこだわる余地があるから
カカオからチョコレートを作る方法って皆さんご存知でしょうか?簡単にご紹介すると以下の流れです。
- カカオ豆を収穫
- バナナの皮にくるんで数日間発酵
- 乾燥
- 焙煎(ロースト)…殻ごとローストします
- 殻むき
- 摩砕(グラインダー)…豆を細かく砕きます
- 混合(ミキシング)…カカオ含有量N%のものを作るかで配合を変えますが、カカオバター等を投入します
- 微細化(レファイニング)…投入したものとさらに混ぜ合わせます
- 精錬(コンチング)…さらに混ぜ合わせます
- テンパリング…風味を良くするために湯煎しながらさらに混ぜ合わせます
- 型に入れる
- 熟成…冷やします
- 完成
この最初の工程の発酵し乾燥させる部分は今まで現地の方法で対応いただくことが殆どでした。
でもこの最初の工程から少しこだわればチョコレートの味が変わると思いませんか?Mini-malさんもそう考えて初期の発酵、乾燥の工程にこだわったそうです。そういえば発酵も乾燥も日本のお家芸なくらい日本は得意ですもんね。
どういう人にチョコレートを買ってもらおう?
Mini-malさんはチョコレートの買い付け、製法をこだわって作成します。ではそれをどのような人に買ってもらいたいでしょうか。また、買ってくれるのでしょうか?
Mini-malさんでは以下のターゲット層を購入してれる人と定めました。
Mini-malのブランディングターゲット
- 30代のむちゃくちゃおしゃれな人
- 40代の成功しているビジネスパーソン
ターゲット層にどう思ってもらいたいか?
ターゲットが決まった後、そういう人たちにどういう風に思ってもらいたいか?を考えました。
その結果、「かっこいい!」って思ってもらいたい!と決めました。
でも各年代で何がかっこいいのか?は異なるとなんとなく分かるようになりました。
ざっくりとしたかっこいい傾向は以下です。
※あくまで個人が肌で感じた傾向であって正解ではありません
- 30代:壁を作った排他的なものがかっこいいと思う人が多い傾向
- 20代:シェア、オープンになっているものがかっこいい傾向
どうやって興味を持ってもらえるか
ターゲット層にどう思ってもらいたいか?は決まりました。
しかしそもそも知ってもらわないと話になりません。
そこでターゲット層に絞った店舗展開を行っていきました。ちょっと歩く、隠れ家的な要素があったほうがいいだろうということで、結果、駅から10分以上歩く、住宅街の中に店舗を構え、店舗の内装をむちゃくちゃおしゃれに!
最初のKPIはお客様の滞在時間を設定し、接客を頑張っていきました。
商品の説明に時間を割き、商品に共感を持ってもらえるストーリーを話していきました。
接客ポイント
1回目来店時、2回目来店時と来た回数で話すストーリーを異なるものを用意しとにかく説明、共感を持ってもらえることを大事にしました。
KPIはお客様の滞在時間です。長く話を聞いていただき、興味をもってもらうように試食もかなり行うようにしているそうです。
ファンを増やすために
何度でも足を運んでいただき、共感をしてもらえたら次にはお店のファンになってもらうのが目標です。その為に月10回以上のイベントを実施しているそうです。
そこで知り合いコミュニティができていき、益々イベントに参加してもらい接点を増やすことをしていったそうです。その人個人ではなく周りも巻き込むようにしてコミュニティを形成させることがポイントだそうです。
体験に勝る価値は絶対にない(ネットでいくら情報を書こうとも体験のが勝る!)というのがやってみた結論だそうです。
ちょっとしたイベントのコツ
イベントは全て有料です。その金額を上回る体験をさせれば良いと考えて実施しているそうです。いい目標値になるし、費用的な負担も減るので有料での実施が鍵なんだとか。
お客様が何かしらアウトプットできるようにする体験になっていることも大事だそうです。
共感や背景をお客様に説明することが大事!
近年のターゲット層ではただお金を使うのではなく、どういう風にお金を使えばいいのか、またそのお金がどういう流れで経済を回すのか等の背景を考える人が増えてきたそうです。
その為にMini-malさんが実施したことは以下の4点です。
- 露出を増やす
- ニッチカテゴリでNo1になる
- 市場のポジショニングを分析し、違う切り口をどれだけ用意できるか
- 平面ではなく多角的に物事をとらえられるか
お客様にはそもそも知ってもらわないといけないので露出をすることは大事です。
また納得してお金を払うということが大事になっているのでここでお金を使うとどう作用されるか、等の背景を話すと納得していただけることが多いのだそうです。なのでそもそもどういう背景なのか?もしっかり説明できるようにしなければいけないのです。
今後は各ブランドの軸、背景がしっかりなければ生き残っていけないのかもしれません。
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